2015年には人口の比率で最も多いとされている、いわゆる「団塊の世代」といった人たちが65歳以上の前期高齢者となる時代を迎えました。とはいえ、この年代の人はまだ元気な人も多く、医療業界への影響はそれほど大きくはありませんでしたが、2025年になると団塊の世代の人たちは75歳以上の後期高齢者になります。するとどうしても体が不自由な人が増えてくるため、看護師が活躍する医療の現場の需要はピークを迎えるといわれています。これがいわゆる「2025年問題」です。この問題は近い将来避けることができず必ず訪れるものなので、看護師や医師をはじめ、医療現場で問題解決に向けた対策を考えていかなければいけません。
高齢者が多くかかる疾患の中でも早急に対策を取らなければいけないのが「認知症」です。慢性的な疾患で治療を受けている患者さんが認知症を併発しているというケースは今後ますます増えてくるでしょう。したがって、その診療科目に従事している看護師さんであっても、基本的な認知症に対しての知識を持つことと、介護ができるようなスキルを身に着けることが必須になるといっても過言ではありません。さらに高齢者になると手足が不自由になってしまい、場合によっては寝たきりで過ごさざるを得ないという状況になることも十分考えられます。寝たきりの人が病院まで通院するというのは周りの人にとっても重労働となるため、これからは訪問診療の知識や技術も必要となっていくでしょう。近い将来、看護師のニーズはさらに高まることが予想されます。転換期を迎える医療業界に寄り添い、看護師としてできることを見つけていくことが求められていくことでしょう。